PPへのUVインクジェット印刷

インクと素材の相性は多種多様

UVインクジェット印刷を行う上で、まず気になるのが「素材とインクの相性」
自社の製品であればその素材が何なのか、どの方法が一番インクが密着するのか、といったことを理解した上で作業が出来るのですが、お客様から印刷のご相談を受ける際は、まず素材が何かを知るところから始まります。
「プラスチック」と一言で言っても、それは本当に多種多様で、UVインクジェット印刷でよく使われるアクリルやABS、それにポリカーボネートやPET、塩ビなど様々なものがあります。
見た目はどれも似たような「プラスチック」ですが、印刷してみるとそれぞれインクの密着度が異なり、それに合わせた印刷方法や下地の処理が必要になり「プラスチックも奥が深いな」と思うことも多いです。
ちなみに、プラスチック以外にも金属ガラスにも印刷を行いますが、これら金属・ガラスは特殊な下処理が必須で、それを怠るとインクが密着せずに剥がれてしまうので、慎重に作業を行う必要があります。

手ごわい相手「PP(ポリプロピレン)」

そのようなたくさんの素材がある中で、身の回りでもたくさん使われているプラスチックの一つ「ポリプロピレン」、俗に「PP」と呼ばれる素材がかなり手ごわい相手で、UVインクジェット印刷だけでなくシルク印刷でも時々苦労することがあります。
PPにUVインクジェット印刷をすると、パッと見た感じではキレイに印刷が出来ていても、剥離テスト(テープを貼って剥がすテスト)をすると簡単にインクが剥がれてしまいます。
インクの密着を高めるものを使っても剥離テストで簡単にインクが剥がれるほどの手ごわい相手なんです。
インクが付きにくいということは、汚れなども付きにくく、さらに溶剤などにも強いという性質を持っています。
その特性から身の回りの商品(キッチン用品、バス用品、化粧品容器など)の素材としてよく使われていて、弊社に印刷のお問い合わせをいただくときにもPP素材のものはよく登場します。
それなのに印刷のハードルがかなり高い、困った素材でもあります。

特許技術でついにPPを攻略!?

かなり難易度の高いPPへのUVインクジェット印刷(というかほぼ無理…)ですが、自社で取り扱う化粧品などの容器もPP製のものが多く、なんとかUVインクジェット印刷が出来ないものかとあらゆる方法を試していました。
印刷できるようにする処理方法はあったのですが、量産に不向きな面倒な作業が必要だったり、クオリティとして納得のできないものだったりで、なかなかベストと思える答えには辿り着けずにいました。
そんなある時、以前から気になっていたいくつかの下地処理方法を調べていると、弊社のUVインクジェット印刷にも使えそうなものを発見しました。
早速、その装置を製造している会社に問い合わせをして詳しく話を聞いてみましたが、化学の専門知識のない人間にとってはまったく未知の世界の話で、とりあえず実際に効果があるのかを試してみることに。
まずはテストに向けてPP素材のものを何種類も用意します。
そしてメーカーさんから実験用にお借りした装置が届き、マニュアルをじっくりと読み込んだのちにPP素材の製品に処理を行いました。
そして、ここからが本番、UVインクジェット印刷を行っていきます。
結果は…

ただ、キレイに印刷できているものは、剥離テストでもまったくインクが剥がれることも無く完璧な仕上がりです。
でも、トータルではまだまだ40点くらい。
ここからはいろいろと条件を変えながら、100点になる条件を探っていきます。

その後、何度もトライし、メーカーの方にもアドバイスをいただきながら、現在はかなり高いレベルでPPへのUVインクジェット印刷が行える状態になっています。

まずは「カード型スプレー」から

以前からUVインクジェットで印刷をしたいと考えていた「カード型スプレー」、まずはこの商品から一般のお客様向けにUVインクジェット印刷での提供を開始する予定です。

量産に向けて、弊社製品に合わせたサイズで処理装置の設計を行っており、装置が完成した段階でテスト生産を行い、そこで問題が無ければ晴れて量産開始となります。

それと同時に、PPへのUVインクジェット印刷でお困りのお客様向けにも受託加工サービス(持ち込み印刷)も開始の予定です。

UVインクジェット印刷についてのご相談はお気軽にどうぞ。

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